自分の直感に聞いてみた

残暑の残る2002年のピッツバーグ。汗で出た水分を補給するのに立ち寄ったコンビニで、レブロンの新色ネイルカラーをチェック。昔からナチュラルメイク(というか、ほぼ素っぴん)を好む代わりに、爪だけは自分でしっかり手入れ。若さを殺す厚化粧に手入れの行き届いてない踵や爪を街で見かけると、同じ女性としてもったいないと感じてしまうものだ。彼女たちと自分はプライオリティが違うらしい。体の7割を占める水分、その補給はもちろん忘れない。

ふと振り返ると、目の前に満面の笑みで立つ男性が。そのあまりの近さに思わず「近っ」と日本語が口走る。もちろん相手には分かる訳ないが、どうも読み取ったらしく、さっきまでの笑顔に詫びの表情がプラスされていた(笑)。自分で言うのも何かと思うが、若い頃から人を見る目には自信がある。自分の「直感」に尋ねると、悪い人ではなさそうだ。「時間はあんまりないけど、バスが来るまでの間何か飲む?」と言うので、バス停の前の店でルートビア片手に会話はスタート。

世界は広い。68億人の中にはこの自分が「好み」と言う人がいても不思議ではないが、この彼はまさにその一人らしい。もちろんこの日もほぼ素っぴん。尚更よろしい。ちなみにこの彼、かなりの男前。彼のことが「好み」の68億分の1に自分が入っていてもおかしくはなさそう。忙しく時間を気にしながらも、笑顔は絶やさない彼。

「日曜日、何してる?」

おっ、いきなりデートのお誘い?っちゅうか、これナンパちゃうの?と心の中で呟く大阪人。ところがどっこい、どうやらシャイそうな彼の次の一言は、

「よかったら・・・一緒に教会どう?」

私が何か言いだす前に「初めてのデートで教会って、変な奴と思われてるかな?」と色々気にする彼に、ちょうどその日のフライトで発つことを伝えると、「じゃあその前にもう一回会える?」と。「ごめん、もう行かないと・・・電話して!」と紙切れ一枚を私に手渡して、足早にバスの中へと消えて・・・はなかった。ずっとニコニコしながら窓から「バーイバーイ!」と手を振っている。

さて、友人宅に戻ってから直感に聞いてみた。分かった、もう一回会いましょうよ。

翌々日、最初に出会ったコンビニのある交差点で待ち合わせすることに。時間通りに傍まで行くと、先に到着していた真面目そうな彼は、長い髪が邪魔なのか?額から汗を流しながら、これまた笑顔でこちらを探している。面白いのでしばらく隠れて観察することにしてみた。右キョロキョロ、左キョロキョロ・・・暑いのにご苦労さんです。ごめん、今着きましたー!と芝居調に待ち合わせ場所に行くと、これまた満面の笑顔で「ジャジャーン!」と花を一輪。わざと遅れて行って、暑い中バラには悪いことをしました、ごめん。

楽しい数時間はあっと言う間に過ぎ、今度は私が時間を気にする番。「いつかまた会えるかな?」と彼。きっとね、と笑顔を返した。帰りのバスの中、聞いてみた。

「きっと長い友達になるで」

直感も大阪弁で答えた。

あれから8年、私の傍らには今もロン毛の彼。2人の間には彼と同じ名前の息子が気持ち良さそうにお昼寝中。わざわざ予定日から2週間近く遅れて、父親の彼と同じ誕生日を選ぶとは、息子はなかなか出来る男らしい。ちなみに今、あの日一緒に音楽を聴きながらピザを食べたのと同じ部屋からこれを書いている。そして私の直感は自慢げに一言:

「な、長い付き合いになるって言うやたろ??」

“自分の直感に聞いてみた” への2件のフィードバック

  1. akimbo555 より:

    こんにちは。
    めちゃくちゃおもしろいです。
    私も直感で人と付き合います。私は目をみます。
    あと、よく話す小人みたいのもいます。人って外見に中身がでるから、それでもわかりますよね。
    なんかもっといろいろ読みたくなりました。
    また記事、書いてくださいね。楽しみにしてます。

  2. nehnehboo0319 より:

    akimbo555さん>
    コメントありがとうございます。最大のほめ言葉「おもしろい」を頂けて光栄です☆☆☆
    次もっと面白いもの書かなあかんと思うとだいぶプレッシャーですね(汗)。
    次も是非読んでいただければと思います。

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